ミュージカルに関わる仕事につくには！特に劇団四季に関わる仕事に就職・転職するには？

「ミュージカルに関わる仕事につくにはどうしたらいい？」
「特に劇団四季に関わりたい！募集職種は？」
「就職・転職を成功するにはどうすればいい？」

ミュージカルが大好きで、将来は舞台に関わる仕事がしたいけれど、業界経験も学歴もなくて就職・転職に悩んでいる方はいませんか？

実は、業界未経験で学歴がなくても、名実ともに日本を代表する劇団の一つである「劇団四季」で働くことができるのです！

今回の記事では、ミュージカルに関わる仕事の幅広い解説、劇団四季の募集職種に加えて、よくある質問についてご紹介します。

俳優やダンサーなど舞台演者のほか、裏方と呼ばれる舞台スタッフの仕事も数多く解説していますので、ミュージカルや演劇に興味のある方はぜひ最後までご覧ください！

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ミュージカルに関わる仕事とは？一覧で紹介

ミュージカルやお芝居の世界では、舞台で演じる俳優やダンサーにフォーカスされがちですが、裏方の舞台スタッフの頑張りがなければ、良い作品は絶対に生まれません。

舞台上の出演者はもちろん、技術スタッフから経営スタッフに至るまで、ミュージカルに関わる仕事を一覧形式でご紹介します。

ミュージカル俳優

ミュージカル俳優とは、ミュージカル作品を中心に活動する俳優のことです。

テレビや映画の俳優とは異なり、観客の前で生演技をすることがほとんどになります。出演決定後、台本の読み合わせから立ち稽古、衣装合わせ、リハーサルを経て本番を迎えます。

リアルな役作りのために体型を変えるべくダイエットに励み、基本的な発声練習なども怠らないストイックな生活を送っています。

作品自体の内容を勉強することも大切で、歴史作品であれば、物語中の出来事や時代背景などを理解し、芝居に細かいディティールを活かすことが求められます。

ミュージカルダンサー

踊り、歌、演技で構成されるミュージカルの舞台で、ミュージカル俳優の後ろでダンスパフォーマンスを行う仕事です。

ストリートダンスからバレエ、ジャズ、民族舞踊など、作品や舞台によって様々なジャンルの表現・テクニックが求められるため、高いダンススキルや表現力、演技力が必要です。

ミュージカルダンサーとして活躍するには、各作品のオーディションを受けて公演ごとに契約する形や、劇団の正社員として入団するといった方法があります。

ダンス未経験者が採用されるのは非常に難しいため、まずは専門学校やダンススクールなどでダンスの基礎や幅広いジャンルのテクニックを習得することが近道といえます。

オーケストラの演奏者・指揮者（コンダクター）

国内の有名どころでは、宝塚歌劇団が「宝塚歌劇オーケストラ」を保有しています。

ミュージカルのオーケストラは、普段客席として使用しているスペースの舞台側の座席を外して周りの客席面よりも一段低くした「オーケストラ・ピット（オケピ）」と呼ばれる場所で演奏します。

ミュージカルの舞台上では、歌、ダンス、せりふ、舞台装置の転換などが目まぐるしく展開されるため、指揮者は事前に全て把握した上で、適したタイミングやテンポをはかって指揮を振る必要があります。

演奏者も、舞台上の様子や真後ろにいる観客の空気を感じとりながら、指揮者とともに五感を研ぎ澄ませて演奏に臨んでいるのです。

舞台美術

舞台美術は、上演されるミュージカルのステージを構成する舞台装置や出演者の衣装をデザインする仕事です。

舞台装置や衣装の製作発注打ち合わせと、製作現場での製品チェック、劇場における仕込み、舞台稽古を経て、初日に至るまで続きます。

舞台装置も衣装も、あくまで舞台芸術の演出効果の一部としてデザインされるため、脚本を理解し、演出家や他スタッフとの綿密な打ち合わせを繰り返し、デザインを進める必要があります。

そのため、脚本や場面構成、演出プランの変更にともなって、幾度となくデザインを描き直すことも珍しくなく、仕事に対する粘り強さや周囲の要望を十分に汲み取る理解力も問われる仕事です。

ミュージカルプロデュース

ミュージカルプロデュースは、オリジナル新作の企画立案・開発、開幕までのスケジュール管理、クリエイターとの折衝や制作予算の管理、各種契約管理などを行う仕事です。

古典的な有名作品は、出演者のせりふ回し、舞台装置や衣装まである程度の型が決まっていますが、オリジナル作品の創作では、常に前例のない課題に直面します。

オリジナル作品の創作では、多くの人とのコミュニケーションが欠かせません。各部署との打ち合わせを重ねる中で、お互いの認識のズレを修正し、クリエイターのアイデアを形にしていきます。

アイデア・創作の種に水をやり、劇団一丸となって「作品の感動」という花を咲かせるまでの道筋を描く企画職です。

キャスティング

キャスティングとは、劇団が企画・制作している作品やイベントに、その場にふさわしい俳優などを配役して、作品・イベントを盛り上げる仕事です。

テレビや映画などで有名なスターを、その知名度を活かしてキャスティングすることもありますが、劇団によっては、厳格な実力主義を貫いているところもあります。

ミュージカル俳優にとって必要なのは、知名度よりも観客を感動させる技術と能力です。俳優は作品を輝かせるために存在するのであり、その逆ではありません。

作品のクオリティを最優先に考える舞台作りに、キャスティングという仕事は重大な責任を負っているといえるでしょう。

広報（PR）・マーケティング

広報（PR）・マーケティングとは、劇団の作品の魅力を広く世間に発信するため、テレビや雑誌、WEBなどのメディアに働きかける仕事です。

取材がスムーズに実施されるよう、俳優や技術スタッフ、各部署との調整を行い、当日の対応を経て露出に導くまでが業務の一連の流れです。

また、メディア向けのイベントの調整や運営、四季の情報を広く配信するリリース資料の作成なども行います。一般企業の広報業務と大きな違いはないかもしれません。

広報担当者は、テレビ番組などの特集をきっかけに劇場に足を運ぶ観客が増えることを目指して、日々精力的に社内外を動き回っているのです。

出演者のマネジメント

出演者のマネジメントとは、所属俳優がどのようなスキルや能力を持っているか把握し、舞台という自社媒体を通じて、パフォーマンス力を高め、時にはテレビや映画などのメディアにも売り込むといったプロデュース業務を指します。

芸能事務所や音楽事務所でも、所属タレントを公私ともにサポートするマネージャーがいますが、そのポジションに近い職種といえます。

俳優のサポート・スケジュール管理のほか、俳優養成所に入所を希望する方々の面接審査や進級審査まで担当し、次世代の俳優育成にも取り組んでいます。

ミュージカルライセンス管理

ミュージカルライセンス管理は、ライセンス・ビジネスに取り組む総務部・法務部のポジションに該当します。

ライセンス・ビジネスとは、劇団のオリジナル公演作品などの著作物の権利について、その使用を求める第三者に許可することで、双方に利益を図るビジネスのことをいいます。

著作権を持つ劇団にとっては、ブランドイメージを傷つける無断使用やコピー商品の排除につながり、著作権を守ることができます。

一方、著作物を使用する側は、著作権をもつ劇団の高い知名度を借り受けることで、販路の拡大ができるなどの利点があります。

舞台演出

舞台演出とは、演出家の稽古スケジュールや、社内打ち合わせの調整、演出・振付に関する資料の整理など、演出に関わる一切の実務を引き受ける仕事のことです。

演出家は、脚本家と同様に作家性の強い職種で、作品の芸術性やエンターテイメント性が高まるように役者への演技指導を行うほか、照明や美術、音響効果などの指示・決定を担当します。

演出家になるための方法は特に確立されておらず、自ら立ち上げた劇団で演出経験を積みながらチャンスを伺うことや、脚本を書きながら演出力を磨くなどが挙げられます。

一方、舞台演出担当は、あくまでも舞台スタッフの一種であり、演出家とは明確に異なる仕事です。舞台演出担当のサポートがあるからこそ、演出家は自らの才能をフルに活かすことができるのです。

ステージハンド

ステージハンドとは、ステージ上の黒子であり、ステージ転換の際に大道具を移動し、演出の補助などを行う仕事です。

力仕事の得意な方をアルバイトで臨時雇用することがほとんどですが、このステージハンドを現場で仕切るのが舞台監督助手の役割になります。

舞台稽古から初日までの数日間で、初めて触る舞台装置や仕掛けなどをしっかり頭に入れ、スムーズな場面転換を実現する必要があります。

そのほか、開幕前に稽古場でスタッフの手が足りない場面の転換を行ったり、転換時に危険な箇所がないか、効率の良い方法がないかを確認したりすることも大切です。

基本的には力仕事のため、コンディションを維持して数日間の公演を乗り切るための体調管理も必須になります。

ヘアメイク

ヘアメイクの仕事は、出演者に対してヘアアレンジやメイクアップを施し、舞台に立つ俳優やダンサーの魅力を引き立てることです。

舞台には、それぞれの役や作品のコンセプトがあるため、その時々のテーマや世界観を演出することが必要になります。

ヘアメイクには、そうした一つひとつのテーマや役に対してきちんとマッチするヘアアレンジ、メイクアップを提供できる高いスキルが求められるのです。

出演者をきれいにするだけでなく、俳優やダンサー、監督、演出家などが作り上げようとしている作品やその世界観を、ヘアメイク技術によって一緒に演出する「クリエイター」であるとの自覚が大切といえます。

舞台照明

舞台照明は、劇場やホールで上演される演劇やコンサート、イベント会場のステージなどで照明を担当する仕事です。

単にステージ上やホール内を明るく照らすだけでなく、様々な工夫をこらした光を用いて、昼や夜などの時間の経過のほか、雨や雷などの天候、四季などを表現し、上演される作品の制作意図に合った舞台効果を演出しています。

演出家を中心に綿密に意見交換して照明イメージを固め、劇場やホールの特性に合わせた実際の照明を決定し、上演中に使用する「照明仕込み図」を作成、本番前に配置・配線作業を行ったのち、上演中には装置操作者に指示を出す、というのが業務の一連の流れです。

最近では、音楽や演出に合わせた複雑な照明の動きをコンピューターに入力し、コンピューター制御で照明を行うケースも増えてきています。

舞台音響

舞台音響は、舞台に関わる音全般を担当する専門職であり、会場に響く音楽と効果音の作成、会場の音量・音質の調整を主に担当しています。

台本に合わせたBGM・効果音の選定と制作を行い、上演時に音響機器を操作して、音出しをしています。BGMに使用される音楽は、上演内容に合わせて既製のものを使うこともあれば、作曲を依頼する場合もあります。

また、上演される音を、全ての客席に同じ音が届くように音量と音質を調整することも大切な仕事です。スピーカーやマイクなどの音響機材を設置する際には、綿密に計算された角度や向きが重要になります。

会場にどのような音響特性があるのかを考慮し、最適な調整をする高い技術が、作品の出来を支えているのです。

小道具

小道具とはその名の通り、舞台で使う様々な小道具の制作・メンテナンス・プランニングを担当する仕事です。

舞台で使う小道具は、全て一から手作りするわけではなく、例えばメーカーやショップから家具類を借りたり、飲み物・食べ物といった消費物は購入したりと、あらゆる手段を講じて舞台に必要な資材を揃えます。

小道具はあくまでも演出の一要素に過ぎませんが、場面の雰囲気づくり、役者の個性の演出に重要な役割を担っています。

作品中の登場人物の嗜好や経済的背景だけでなく、生き様までも表現されるため、制作センスだけでなく、役を作り上げる緻密な計算が要求されます。そこが小道具の腕の見せどころといえるでしょう。

ステージ衣装制作

ステージ衣装制作とは、舞台上で使用するステージ衣装をデザイン・制作する仕事です。

ストーリーや役柄に合わせたデザイン、さらに俳優・ダンサーたちのパフォーマンスを引き立てるような衣装の制作が求められます。

劇団内でデザインと制作担当とに分かれてチームで衣装制作を行うことが多く、作品の雰囲気や監督・出演者のこだわりに寄り添い、何度も試行錯誤しながら完成目指して制作を行います。

衣装制作には、デザイン・縫製能力が求められるのはもちろんですが、監督や演出家、衣装を着用する出演者の要望やこだわりをしっかり捉える理解力も欠かせません。

特に、劇団四季に関わる仕事は？募集職種を調査

ミュージカルに興味がなくても、劇団四季という名前は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

劇団四季は、神奈川県に本社を構え、約1400名の社員を抱える「四季株式会社」が制作企画・運営を行う、世界最大規模の演劇集団です。

劇団とはいっても、毎年新卒・中途社員を採用している歴とした株式会社ですので、入団の門戸は想像ほど狭くはありません。

2023年2月現在、劇団四季がどのような職種を募集しているのかを調査しましたので、日本が誇る世界最大級の劇団で働きたい方はぜひご注目ください！

劇団四季の新卒採用・就活

新卒採用・就活は、他の一般企業と同様に、3〜4月からエントリー開始し、10月の内定式までに、筆記試験・面接試験などを経て内定者を決定しています。

新卒採用の募集職種は大きく、経営スタッフと技術スタッフに分かれています。経営スタッフは四季の経営と運営を担当し、技術スタッフは創作から公演本番まで舞台を支えるクリエイティブ職になります。

経営スタッフには、営業部、制作部、演出部、企画開発室、広報宣伝部、カスタマー部、国際部、社会事業部、経営企画部、劇場部、経理部、 人事部、総務部、システム業務改革部、技術運営部、の15職種があります。

新卒採用者は原則、営業部での試用期間を経て、各人の適正に応じて上記の各部署に配属される仕組みです。

技術スタッフには、舞台監督助手、舞台装置、小道具、照明、音響、コスチューム（衣裳）、ヘアー・メイク（床山）、音楽、の8職種があります。

経営スタッフは採用当初から正社員として採用されますが、技術スタッフはクリエイティブ職のため、1年目は研修生として社員契約し、2年目以降は各人の能力・経験を考慮し、プロフェッショナル契約（請負契約）になる点が特徴です。

劇団四季の中途採用・転職

他の一般企業と同様、欠員やその時々のニーズに応じて中途採用の募集がかかります。

2023年2月現在は、舞台監督助手、照明、音楽の3職種の募集があり、資格学歴・業界経験・年齢は不問となっています。

業界経験不問とはいいつつ、例えば音楽の職種では実技試験を課せられるため、さすがに全く音楽の素養・知見のない方が採用されるのは極めて難しいでしょう。

新型コロナ禍の影響もあり、書類選考後には動画選考を実施して、面接試験前に相当数の応募者をふるいにかけている様子がうかがえます。

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【Q&A】ミュージカルに関わる仕事のよくある質問

ミュージカルや演劇は華やかな世界ではありますが、実際に中で働こうと思った時、どうやって就職活動すればよいか悩むことも多いと思います。

そこで、ミュージカルに関わる仕事のよくある質問をまとめてみましたのでご覧ください。

舞台の裏方仕事は未経験や高卒でもできる？

結論から言えば、舞台の裏方仕事は未経験や高卒でも就くことができます。

劇団四季は中途採用に業界経験や資格・学歴を求めていませんので、舞台監督助手として採用され、下積み時代を送り、将来的に舞台監督を目指すキャリアもあると思います。

中小劇団や大道具などを専門的に取り扱う企業でも未経験・高卒を募集していますし、宝塚歌劇団グループの「宝塚舞台」は、新卒で地元の工業高校生などを採用している実績があるようです。

美術スタッフの代表的な企業はどこ？

舞台美術制作で代表的な企業は以下の通りです。いずれも社員数が200名を超える、業界では大手の企業になります。

東宝舞台株式会社

東宝舞台の母体は、東京宝塚劇場の開館に伴って設立された東宝舞台部。昭和７年に設立後、演劇やバレエ団などの舞台美術を数多く手がけ、昭和２６年に東宝株式会社から独立。以来７０年以上、舞台美術やテレビ局の仕事などの事業を幅広く展開しています。

日本ステージ株式会社

日本ステージは1964年、東京オリンピック・東海道新幹線開通の年に設立。それから50有余年にわたり、舞台製作の活動領域を日本経済の成長とともに拡大。近年のIT技術の進化とグローバル技術の革新により、AIを活用した舞台制作にも挑戦しています。

株式会社テルミック

テルミックは、テレビやコンサートなどのエンターテイメント業界において、電飾・機構・システム開発など幅広い分野を得意とし、その技術を提供する企業。1979年の設立から40年経過し、近年では三精グループの一員として、新たに常設美術分野にも進出しています。

舞台美術などの舞台関係の仕事の給料はどれくらい？

舞台俳優やダンサーなどの出演者はキャリアによって給与が大きく変動するため、平均的な給与を算出するのが難しいといわれています。

裏方の舞台スタッフについては、一般企業の会社員と変わらず、毎月安定的な給与を得られる傾向にあるため、平均的な給与の算出ができます。

厚生労働省の毎月勤労統計調査によれば、舞台美術など劇団関係者などが該当する「娯楽業」の令和2年月給与平均は20万円程度です。

年収250〜300万円程度ではないかと想定されます。

業界最大手である劇団四季の新卒募集の勤務条件を確認すると、初任給は大学院卒で23万5千円のため、大きくズレてはいないものと思われます。

フリーランスの舞台美術作家になると、実力主義の世界のため、人気作家の年収は青天井かもしれません。

ミュージカルに関わる仕事｜まとめ

今回は、ミュージカルに関わる仕事の解説、劇団四季の募集職種、よくある質問についてご紹介しました。

ミュージカルやお芝居の世界では、舞台上の俳優やダンサーばかりに目が向けられがちですが、縁の下で舞台を支える多くの舞台スタッフがいなければ、公演の成功はあり得ません。

もし俳優やダンサーになる才能がなくとも、舞台制作に関わりたい強い気持ちがあれば、舞台スタッフの枠で活躍できると思います。

高い専門性が求められる職種もありますが、業界最大手の劇団四季ですら、業界未経験・資格学歴を問わない中途採用枠を設けていますので、必ずしも狭い門戸ではないといえるでしょう。

観客としてミュージカルから感動を受け取る側から、感動を渡す側になって活躍できるよう、職種研究など就活対策に励みましょう！